2019 school work

第二回タマグラ・ポスター展「POSTER NIPPON」
優秀賞受賞
課題テーマ「日本」​​​​​​​
サイズ: B1(728×1030mm)


現代の日本社会で生活していると、日本の嫌な部分を目にすることがないとは言えない。年々そういった機会が自分の中で増えているのも事実だ。日本に対するマイナスなイメージが募っている今だからこそ、本来持つ魅力に目を向けるべきだと思い、明白にせず曖昧に暗示することを美しいとする日本の美意識に着目した。日本の伝統芸能である能では、「幽玄美」を重く扱い、美的表現を強く表すため、能面の顔の表情変化や、顔の衰えの醜さを隠すように、「中間表情」と呼ばれる表情をはっきりと示さない曖昧な表情で作られている。演者の舞による顔の上下の動きで、表情は変化し、多様な感情の機微が表されている。曖昧さには、はっきりとした輪郭がないからこそ、移り変わりが見せる多様な表情が存在する。今回はそんな日本が美しいとする曖昧さを描くため、同様に曖昧さを重んじて作られた能面をモチーフとし、境界線・輪郭線のない溶けるようなグラデーションで表現した。
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